6-25(11回目)

6月25日の講義は、株式会社中垣信夫デザイン事務所/代表 中垣 信夫さんさんによる講義でした。

今回、講義をして下さった中垣さんはグラフィックデザイナーである。中垣さんは自分のことを「クソジジイ」だとおっしゃっていた。それは蔑みではなく、それが1番の価値であると言っていた。その言葉には古いことを知っていたり、誰よりもたくさんの経験をしているという意味があるそうだ。

中垣さんは文化は手によって紡がれていくものだと述べていた。アナログな物作りを行うことによって人間は様々な道具を工夫を凝らして作っていく、そうするとそのための筋肉が育ち、人間に蓄積される。文化というのは育つのに時間がかかるというのは人間の成長するスピードによって左右されるからであるということであった。

昔の携帯は色々な形や色をしていたが今の携帯はみんな四角くて薄い黒色の板にしか過ぎず、中身だって同じようなアプリケーションのデザインで形もおないものばかり。色々なところで様々なアイデアが生まれてもどんどん時間が経つに連れてそれは収束していってしまう。それが今なのだとおっしゃっていた。それでいいのか?今のデザインはそれでいいのか?と中垣 信夫さんは声を大にしておっしゃっていたことが私はとても共感し、感銘を受けてしまった。とても今のデザインを昔のデザインという文化と照らし合わせ分析をしており、とても考えさせられる1時間半の講義だったと思う。

時代の進むスピードはとてつもなく早く、技術革新も凄まじい勢いで起こっている。
が、それと比例するように私たちはそれに飲み込まれてしまってはいけない。
デザインは化学のようなもの。失敗したっていいから実験を行うことが大事なんだ。
何度も何度も実験をして失敗してそれを繰り返すことで新しいものができるんだ。
だから君達も手をまずは動かせ。考えて手を動かしたその先に、デザインは待っているんだぜ。